上達に差が出る、ピアノを弾くときの正しい姿勢とは?チェックポイントは6つ!

ピアノを始めた時の最初に浮かぶ疑問、それはどんな姿勢で弾けばよいのか、ということだと思います。姿勢を間違うと上達の妨げになったり、最悪、体のどこかを痛めてしまうということもありえます。

 

ピアノを練習していると肩が痛くなる、手首が痛くなる、腰が...となる人はおそらく正しい姿勢で弾けていません。正しい姿勢では体から余計な力が抜けていて、自然体に近い状態になっているので痛みがでることはほぼありえないのです。

 

とはいえ、そんな完璧なフォームを身につけるのは一筋縄ではいきませんが、少しずつ悪いところを改善していって美しい姿勢を身につけていきましょう。今回、チェックすべきポイントをいくつか箇条書きにしたので参考にしてもらえたらと思います。

 

正しい姿勢で弾く必要性

 

「綺麗な音が出れば姿勢なんて気にする必要ないじゃん。」こう考えている人もいるでしょう。確かにピアニストは演奏力が評価されるのであって、美しいフォーム、それ自体が評価されることはあまりないと思います(それでも弾く姿勢が美しいというのは大事なことだと思いますが)。

 

ただこの考え方はむしろ逆なのです。美しいフォーム、正しい姿勢であるからこそ美しい音色が出せるのです。

 

確かに王道と言われるフォームから外れていても素晴らしいテクニックを持ち、綺麗な音色を出せるピアニストはいます。しかし、これはどちらかというと例外であって、大半の人にはテンプレートと言われるフォームがベストなのです。逆に言えば、ほとんどの人に当てはまるから王道ともいうべきフォームが存在するんですね。

 

自分がその例外だ!と言いきれる人は最初から我流のフォームで練習するといいと思います。ただ、多くの人はまず確立されたフォームを身につけて、次に自分に合うように細かく調整していくのが上達への近道だと思います。

 

正しい姿勢とは自分が思うに、

ピアノを弾くため以外の余計な力が全く入っておらず、自分の思ったとうりの動きを腕、指、指先に伝えられる状態」

だと思います。この辺の解釈はある程度人によって差が出るでしょうし、プロピアニストの人たちには自分のような初心者には思いもつかない独自の考え方があると思います。

 

しかし初心者に多くのことを求めるのは酷ですし、実行もできないですから最初は全身の力みを抜く、ぐらいのことを目標にするといいと思います。それが出来てきたら、次に大事な手首や腕の脱力のことを考えていけばいいんじゃないでしょうか。段階を踏んで目標を設定するのはとても大切なことですからね。

 

正しい姿勢で弾くことにはどんなメリットがあるのでしょうか。簡単に以下に挙げてみました。

  • 弾いていて疲れにくい。なので長時間練習することが可能になる
  • 綺麗な音色が出せる。特にフォルテで弾く際などに顕著になる
  • 自分の持っているテクニックなどを100%発揮できる
  • 第三者から見たときにピアノを弾く姿が美しく見える

 

他にもいろいろあると思いますが、初心者の自分がぱっと思いつくのはこれぐらいです(笑)。それでもどれも大事なことだとすぐわかると思います。それぞれの理由については書きだすと長くなってしまうので割愛しますが、実際に正しいフォームを意識して練習すると実感できると思います。

 

正しい姿勢で弾くためにチェックするべき6つのポイント

 

ここまで正しい姿勢で弾くことの重要性を述べてきましたが、次にじゃあどうすればその姿勢に近づけることができるのか、ということを書いていきたいと思います。

 

まずチェックポイントを頭の方から順に箇条書きにしてみましたので、実際にピアノの前に座ってチェックしてみてください。

  • 1. ピアノを弾く時に不自然に肩が上がっていないか(いかり肩になっていないか)
  • 2. 背筋は自然に伸びているか(前かがみになったり、反り返ったりしていないか)
  • 3. 指を鍵盤に置いたとき、腕、肘が鍵盤に対してほぼ水平、もしくはやや上に角度がついているか(肘が鍵盤より下にある状態ではだめです)
  • 4. 鍵盤を押したとき、手首の位置は鍵盤より上にあるか
  • 5. 自分の体からピアノまでの距離は適切か(近すぎても遠すぎてもいけません)
  • 6. 足は自然に地面に着いているか。ペダルは無理なく踏めるか

 

上に挙げた6つのポイントが満たされていれば一般的に正しいといわれるフォームになっていると思います。それぞれについて少し解説していきますね。

 

1. ピアノを弾く時に不自然に肩が上がっていないか

 

速いパッセージを弾く時やフォルテなどで弾く時にこうなってしまいがちですね。無意識になってしまうのがやっかいなところです。こうなるのは力んでしまっていることからなんですね。速く弾くことを意識しすぎて体が強張ったり、フォルテを出すためにいらない力まで体に入ってしまっているんです

 

これは完全に逆効果なので日頃から意識してなおしていきましょう。自分は熱くなりやすいので、常に冷静に弾くことを心がけていますよ(笑)

 

2. 背筋は自然に伸びているか(前かがみになったり、反り返ったりしていないか)

 

猫背の人には辛い項目ですね(笑)。どちらかというと前かがみになっちゃう人のほうが多いんじゃないですかねー。鍵盤を叩くときに必要な力は主に腕の重さだといわれています。肘から先を上げて鍵盤の上に力を抜いて指をどーんと落とすと十分な音量がでますよね?この自然な重みを活かすために背筋は伸ばしましょう。見栄えもよくなりますしね。

 

3. 指を鍵盤に置いたとき、腕、肘が鍵盤に対してほぼ水平、もしくはやや上に角度がついているか

 

これは主にイスの高さの問題ですね。あと背筋が伸びていないと腕の位置が下がってしまうことがあります。鍵盤は上から叩くものですから、腕、肘の位置が鍵盤より下にあると余計な力が入ったり、もしくは必要になってしまいます。最低でも水平になるようイスの高さを調整しましょう。

 

4. 鍵盤を押したとき、手首の位置は鍵盤より上にあるか

 

3番と近いですが、非常に大事なので別の項目にしました。これは鍵盤を叩く力が手前にひっかける感じで入ってしまっていることが原因です。正しく上から鍵盤を押すことを意識しましょう。こうなってしまっていると、演奏の際、手首の自由が利かず速いパッセージを弾く時などに不利になります。

 

5. 自分の体からピアノまでの距離は適切か

 

この距離が近すぎると広い範囲の鍵盤を叩くときに腕の動かせる範囲が狭くなり、跳躍や鍵盤上の大きな移動に対応できなくなります。逆に遠すぎると単純に弾きづらいですよね(笑)。目安として鍵盤に手を置いたときに100°~110°程度になるような距離で座ればいいと思います。

 

6. 足は自然に地面に着いているか。ペダルは無理なく踏めるか。

 

これはイスの高さとの兼ね合いですね。5までの項目に問題がなければ、足が自然に地面に着くフォームになっていると思います。ペダルの踏み方はまた別の記事で取り上げようと思います。

 

先生に見てもらうのが一番正確で、確実

 

ここまで正しい姿勢について書いてきましたが、結局、先生に見てもらうのが一番確実なんです。多くの生徒を見てきている先生なら初心者が陥りやすい悪いクセや、その矯正方法も知っているでしょうからね。

 

ピアノを弾く姿勢は本当に大事です。悪いところを直した途端、今まで弾けなかったフレーズが楽に弾けたり、長時間ピアノを弾いても疲れなくなったりしました。悪いクセが定着してしまう前に正しいフォームを身につけたいですね。

 

今回はこの辺で、ではでは。