ピアノの「脱力」ができるようになろう わかりやすく順を追って解説します
こんにちは、明石照秋です。このブログもスタートしておよそ1ヵ月経ちました。早いものですね。読んでくれた人の役に立っていれば幸いです。
今回のテーマは「ピアノを弾く時の脱力」です。これは凄く難しいテーマで、自分も常に悩んでいます。また中級者の人でも悩んでいる人はいるようです。
ピアノの本やホームページには、よく「脱力はとても大事です」と書いてありますよね。大事なのはよくわかってる、だからそれを実践するためのマニュアルが欲しいと自分は思っていました。
なので今回、レッスンの先生に聞いたことや、ピアノが弾ける友人に聞いたアドバイス、ホームページに載っていた情報などをまとめて、マニュアルっぽいものにしてみました。特に独学者の人は先生などからアドバイスをもらえる機会が少ないと思うので、ぜひ役立ててください。
ただその人その人によって今必要なアドバイスや、するべき練習などは違うと思うので、参考にする程度にしてくださいね。そのまま鵜呑みにして練習したら逆に手首痛めた、では本末転倒ですから。
まずは脱力できているかチェック
まず最初に自分で脱力ができているかチェックしてみましょう。よく聞くのは4分音符120のテンポでドレミファソファミレドを16分音符で1分間弾いて、疲れなかったらあなたは脱力できています、ぱちぱち、といったものです。が、初心者にはハードルが高いですね。まずそんな速く弾けないよって人が多いと思います。
なので別の方法でチェックしましょう。下に箇条書きにしていくので、1つでも当てはまったら脱力できていない可能性が高いです。
- ピアノを弾いていると肩が凝る
- 1曲弾き終わったら手首が痛くなる
- 鍵盤を叩く時、指が大きく上がる
- オクターブを弾くと手首への負担がヤバイ
- フォルテを力任せに弾いてる気がする
- 3度の重音が綺麗なレガートで弾けない
どうですか?初心者の人はいくつかあてはまっちゃうんじゃないでしょうか?ちなみに自分は小指が大きく上がっちゃいます。見た目的にもみっともないので、早く直したいんですが、難しいんですよね...。
次からは具体的な改善策を考えていきます。
「脱力」とは?
文字にするのは簡単ですが、実践するのは難しい、それがピアノの脱力です。まず脱力って言葉が抽象的すぎるんですよね。具体的にどこさって思います。いろいろ調べてみると、どうやら「全身」らしいです。ただ弾く瞬間、指先にのみ力が入っている状態がベストみたいですね。
また難しいこと言うねって思いますよね。自分は思います(笑)そんないきなり同時にはできないのでステップを踏んでいきましょう。
全身の脱力
まずどんな状態が「脱力」なのかを知りましょう。ピアノ椅子に座って、だらーんとしてください。背筋も曲がって、腕もぶらぶら、首も座っていないような状態です。これがいわゆる「脱力」です。ただこんな状態ではピアノなんて弾けませんね(笑)これに近い状態でピアノを弾く姿勢を作っていきましょう。
ここからまず背筋を伸ばしましょう。自然にですよ。反り返ったりする必要はないですから。次に首をしっかり固定して、楽譜台のほうを向きましょう。最後に腕の力を抜いたまま、手を鍵盤の上に置きましょう。
これで完成です。さっきのだらーんとした状態と同じ感じで姿勢が作れていますか?ここで力んでしまっているとアウトなので、納得いくまでやりましょう。まだ音は出さなくていいので。正しい姿勢の作り方はこちらも参考にしてくださいね。
手首の脱力
次に手首の脱力ですね。ただ一番難しいのはこの手首の脱力じゃないでしょうか。手首の脱力って言われても、いまいちピンとこないですよね。逆に力んでしまっている状態とは、ピアノを弾く際に手首が固定されてしまっている状態です。こうなっていると、長時間弾いた時などに手首に痛みが残るんですね。特にオクターブを連続で弾いた時に手首が痛い!という人は、手首の脱力ができていないと考えたほうがいいでしょう。
じゃあどうやってこの力みをなくしていくかなんですが、これもさっきと同じように脱力できている状態をまず知りましょう。鍵盤の上に手を置いて、肘から先を大きく上げて重力に従って腕を下ろしましょう。この時、大げさになってもいいですから、これでもかってくらい手首をぶらぶらさせて鍵盤を叩きましょう。重力に従って鍵盤を叩くと、すごく大きな音が出ますよね?これがいわゆる「腕の重み」でピアノを弾いている状態です。よくピアノは指の力じゃなくて腕の重みを使って弾け、って言われますよね。
後は最小限の動きでこれを再現できればいいわけです。といっても、簡単なことではないですが(笑)さっきはむちゃくちゃ大げさにやりましたね。この感覚を維持したまま、次はだんだん動きを小さくしていきましょう。ちゃんとできていると、前までに比べて驚くぐらい小さい力で同じ大きさの音を出すことができると思います。
いきなり完璧にやるのは難しいと思いますが、手首の痛みなどが少しでも軽くなっていたら前進できている証拠なので、頑張っていきましょう。最初は2分音符や4分音符などゆっくりのテンポで反復練習していって、慣れてきたら少しずつ速くしていきましょう。
ピアノを弾く時は常に脱力を意識する
この感覚が体に染み付くには時間がかかります。それまでは常に脱力を意識してピアノを弾きましょう。クセって少しでも気を抜くと戻っちゃいますからね。特に手首の痛みなどはわかりやすい信号なので、これが現れたらもう一度脱力法を見なおしてみましょう。
またクセなどを直すときは、一時的に演奏のパフォーマンスが低下してしまいがちです。思うように弾けなくてイライラするかもしれませんが、後で大きく上達するための布石だと思って頑張りましょう。
常に意識しているとそのうち自然と脱力できるようになってくるものです。全然できない!って悩まずに、そのうちできるようになるさ、ぐらいの軽さで考えていたほうが楽しく練習できますし、結果的に早く脱力できるようになると思います。
脱力を意識すると小さい音しか出ない!という人へ
特にピアノを弾き始めたての人に多いと思うんですが、脱力を意識するとピアノ以下の音量ぐらいしか出ない、ということがあると思います。これは指の筋肉や関節がまだ十分に鍛えられていないためです。この力はピアノを弾いていると自然についてくるものなので、今は小さい音しか出せなくても、練習しているとだんだん大きな音も出せるようになってきます。指を鍛える方法はとにかく毎日ピアノを弾くことです(笑)
音を外しすぎてイライラする
脱力の修正中は前までの感覚とは違うので、ポジションを移動しすぎたりして音を外してしまったりすることがよくあると思います。かなりイライラすると思いますが、練習していると感覚が体に馴染んできて、前よりスムーズにできるようになると思います。これも石の上に3年の思いで頑張りましょう。そんなにかからないですが(笑)
参考になった動画
自分が脱力の練習している時にお世話になった動画を貼っておきますね。やっぱり文字だけより実際に見たほうがイメージも湧きやすいですから。
まとめ
ピアノの脱力は一朝一夕でできるものではありません。なので「今日は脱力を練習する!」と意気込むより、「力まないで曲を弾くようにしよう」ぐらいの、なにか他の練習をしながらついでにチェックするぐらいの気持ちでいいと思います。
弾いていて、「あれ、そういえば最近手首が痛くならないな」ってなってきたらバッチリです。何度も言いますが、クセは後になればなるほど修正するのが難しくなるので、初心者のうちから正しい弾き方を身に付けるように意識して練習しましょう。
それでは今日はこの辺で。明石照秋でした。