人の心を操ることができる神の映画とは 「[映]アムリタ」【小説オススメ】
今日は野崎まど作の「[映]アムリタ」を紹介する。
あらすじ
主人公、二見(ふたみ)は芸術大学の役者コースに在籍している男子大学生。そんな彼が同学年で美人でカメラの腕がいいと評判の画素(かくす)に、映画サークルで一緒に映画を撮らないかと勧誘を受ける。
喜び勇んで承諾した彼は映画のコンテを受け取って家で読み込んでいくことにした。しかし、コンテに目を通した瞬間、そこで意識は途切れた。
気づくと時計は2日後を指しており、なんと56時間もの時間が経過していた。自分は56時間、コンテを読み続けたのか...?と不安になり、その映画撮影にも漠然とした不安が湧いてくる二見。
「[映]アムリタ」はこんなお話
56時間も読み続けてしまったコンテの謎
普通ならありえないほどの長時間、コンテに縛られた謎の現象。しかも二見だけではなく他の撮影スタッフたちも同様の現象を経験したという。
また二見は最原の家で見つけたこのコンテの下書きのような絵コンテを見つける。それに目を通そうとした瞬間、同じような現象に襲われ、なんとかギリギリで脱出する。
このコンテには一体どんな秘密が隠されているのか。
天才少女最原最早の秘密
鳴り物入りで大学に入学してきたという最原。その入試試験で提出した映像は教授たちの間で大きな議論が起こったという。
涙を流して感動する者や、こんなものは映画ではないと憤慨する者。それはまるで彼女が作った映画によって心が操作されていたようだったという。そんな映画を作ることは可能なのだろうか。
最原の付き合っていた彼氏の突然の死
最原には付き合っていた彼氏、定本という人物がいた。しかし、不運な事故でその命を落としてしまう。
その事故からすぐに彼女はこの映画を作りたいと言ってきた。しかも二見はその定本に容姿、雰囲気がよく似ているのだという。
これはただの偶然なのだろうか
終わりに
以上、「[映]アムリタ」を紹介した。
作者の経歴が獣医学部卒という同業者であることから気になっていた本である。
この本は最原が失踪してからが本番で、そこからの怒涛の展開にぜひ打ちひしがれてほしい。
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